会議メモに名前があるからといって、その人が担当者とは限りません。「田中さんへ確認する」の担当は、田中さんではなく、確認する側の人かもしれません。
会議後に役立つのは、きれいな要約よりも、合意した行動と、まだ決まっていないことを区別した一覧です。このページでは、8行のメモから、担当者が確認できるTo-Do表を作ります。
以下の会議、人物、日付は架空の教材です。出力は説明用に編集した完成例であり、実際の会議記録やAIの実測結果ではありません。
8行のメモに、決定・提案・取消が混ざっている
会議日は2026年10月5日とします。
M1: 提案資料には最新版の価格表を使うことで合意。
M2: 山田さんが10月7日までに、候補サービス一覧を共有する。
M3: デモ環境は金曜までに準備できる? まず環境の確認が必要。
M4: 佐藤さんが、田中さんへ法務相談できるか確認する。期限は未定。
M5: 顧客は来週、社内レビューをする予定。日付はまだ聞いていない。
M6: 比較表の更新は今回は不要。前回の依頼は取り下げる。
M7: 新版の価格表への差し替え担当は、この場では決めていない。
M8: 次回会議の日時は、顧客からの返信を待って決める。
M3の「金曜までに準備できる?」は質問です。M5の社内レビューは顧客側の予定です。M6には取り下げられた依頼があります。これらをすべて実行するTo-Doへ変えると、見た目が整っていても使えない記録になります。
1回目は、文章にせず分類する
次の会議メモを整理してください。
会議日: 2026年10月5日
出力を次の4つに分けてください。
1. 合意した決定事項
2. 実行するTo-Do(作業、担当者、相談先、期限、根拠のメモ番号)
3. 確認が必要な事項
4. 取り下げられた作業
ルール:
・名前が登場するだけで担当者と判断しない
・疑問文の期日を、確定期限へ変えない
・他社の予定を自社のTo-Doにしない
・期限や担当者が不明なら未確認と記載する
・同じ作業の重複はまとめるが、根拠の番号を残す
・意味が衝突するメモは、勝手にどちらかを採用せず確認事項にする
[上記M1〜M8を貼り付ける]
この段階では、文章の丁寧さや長さを細かく指定しません。誰が、何を、いつまでに行うと決まったかを先に確かめます。
正しく整理できた場合の完成例
決定事項は、提案資料に最新版の価格表を使うことです。差し替えの担当者は、まだ決まっていません。
| 作業 | 担当者 | 相談先 | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 候補サービス一覧を共有する | 山田 | 該当なし | 10月7日 | M2 |
| 法務相談が可能かを確認する | 佐藤 | 田中 | 未定 | M4 |
| 提案資料の価格表を最新版へ差し替える | 未確認 | 未確認 | 未確認 | M1、M7 |
確認事項は、デモ環境の準備可否・担当・期限、価格表差し替えの担当と期限、顧客の社内レビュー日、次回会議の日時です。M3の金曜日は、確定期限ではなく確認したい候補日として残します。
取り下げられた作業は比較表の更新です。M6に従い、実行するTo-Do一覧には入れません。
この表は、未確認が残っているから未完成なのではありません。未確認をそのまま見つけられることが、この段階の完成条件です。
担当者を間違えた下書きは、こう直す
たとえば、AIが「田中:法務へ確認」と書いたとします。文章を整える指示では修正できません。誤りの根拠を指定します。
M4では、確認する担当者は佐藤さん、相談先は田中さんです。
担当者と相談先を逆にした行だけを修正してください。
ほかの作業や期限は変更しないでください。
同様に「デモ環境を10月9日までに準備」と出た場合は、「M3は合意ではなく質問。確定To-Doから外し、準備可否と期限の確認事項へ移す」と伝えます。
2回目は、確認できた表だけを共有文へ変える
会議後の確認で「価格表の差し替えは高橋、期限は10月8日」と合意できたとします。これは元メモから推測した情報ではなく、追加で確認した事実です。表へ反映したうえで、参加者向けの共有文にします。
本日の確認事項を共有します。候補サービス一覧は山田さんが10月7日までに共有します。価格表の差し替えは、会議後の確認により高橋さんが10月8日までに対応することになりました。法務相談の可否は佐藤さんが田中さんへ確認し、期限は別途調整します。デモ環境の準備日と次回会議日は未確定です。比較表更新の依頼は取り下げています。
顧客へ転送する場合は、社内の相談先や判断過程をそのまま出してよいかを別途確認します。社内向けの完成文が、そのまま社外向けの完成文になるわけではありません。
会議のたびに確認するのは「抜け」だけではない
よくあるのは、抜けている項目を探す一方で、書いていない担当や期限が追加されたことを見逃すケースです。確認時は、行ごとに根拠のメモへ戻ります。
担当者に確認したい質問も、「この表で合っていますか」より「価格表差し替えの担当と期限は、この2点で合っていますか」の方が具体的です。確定できなかったものは、次回へ持ち越す確認事項として残します。
毎回の会議メモを、同じ精度で整理するために
Prompt Readyを使う場面は、会議を録音・文字起こしする部分ではなく、手元のメモをどの形式で整理させるかを依頼文にする部分です。
会議メモとともに、「担当者と相談先を別にする」「取り下げた作業は一覧に戻さない」という条件を入力し、生成された依頼文へ反映されているかを確認します。コピー後、利用を認められたAI環境で使い、最終的な担当割り当ては人が確認します。
会議ではなく長い提案資料から判断材料を取り出したい場合は、根拠を残す資料要約が向いています。
参考情報
- OpenAI: Prompt engineering best practices for ChatGPT
- Toybird Labs: Prompt Readyの使い方