生成AI・仕事効率化

ChatGPTで顧客への返信メールを作る|分からないことを約束せず、次の対応を伝える

顧客メールと社内の確認メモから、復旧時刻を約束せずに次の対応を伝える返信を作成。コピーできる依頼文、完成返信、送信前の確認例を掲載します。

「原因が分からないので、回答できない」。障害や不具合の問い合わせでは、そう言いたくなる場面があります。けれど、原因を説明できることと、顧客へ今の状況を伝えられることは別です。

ここで作るのは、調査完了の報告ではなく、顧客を待たせたままにしない初動返信です。原因、復旧予定、次回連絡を区別し、社内で決まっていることだけを文章にします。

以下は説明用の架空ケースです。メール、社内メモ、返信例はこの記事のために作成した教材で、実在の問い合わせやChatGPTの実測ログではありません。

「17時までに必要です」に、復旧の約束で返さない

顧客から、次のメールが届いたとします。

今朝から管理画面のCSV出力ボタンを押してもファイルが出てきません。本日17時の社内会議で使うので、それまでに直りますか。すぐに状況を教えてください。

社内で分かっているのは、次の内容だけです。

区分今回の材料
確認済み問い合わせを受領し、技術担当へ調査を依頼した。
未確認原因、影響する利用者の範囲、復旧時刻、回避策。
伝えてよい約束本日15時までに、進展の有無にかかわらず状況を連絡する。
顧客へ確認したいこと発生時刻、利用ブラウザーとバージョン、画面にエラーが出ているか。
まだ決めていないこと補償、返金、別の方法でのデータ提供。

「17時」は顧客が必要としている時刻です。「15時」はこちらが連絡を約束した時刻です。どちらも復旧予定ではありません。この違いを、下書きにも残します。

AIに渡すのは、返信の材料と約束の境界

次の指示と、上のメール・表を一緒に渡します。実際の業務では、所属組織で利用を認められたAI環境と入力できる情報の範囲を先に確認してください。実名を伏せても機密性がなくなるとは限りません。

顧客への初動返信を作成してください。
入力する「顧客メール」と「社内の確認事項」だけを材料にします。

返信に入れること:
・問い合わせを受け付け、技術担当へ調査を依頼したこと
・17時までの復旧は、現時点では約束できないこと
・15時までに、進展の有無にかかわらず状況を連絡すること
・調査のために確認したい3項目

返信に入れないこと:
・原因、影響範囲、回避策についての推測
・復旧時刻、返金、補償、データ提供の約束
・再インストールなど、確認されていない操作手順

件名と本文を作成してください。
続けて、本文に含めた約束を抜き出し、社内メモのどの記述に基づくか示してください。
顧客向け本文と、社内確認用の一覧は分けてください。

[上記の顧客メールと社内の確認事項を貼り付ける]

最後に約束を抜き出す指示を置いたのは、文体の良し悪しより先に、送信してよい内容かを確認するためです。

返信例:復旧時刻ではなく、次の連絡を明確にする

次は、入力した事実に沿って編集した返信例です。同じプロンプトから、必ずこの文章が出るという意味ではありません。

件名:CSV出力の不具合についてのご連絡

お問い合わせありがとうございます。17時の社内会議でご利用予定とのこと、出力できない状況でお困りかと存じます。

ご連絡の内容は技術担当へ共有し、調査を依頼しました。現時点では原因と復旧時刻が分かっておらず、17時までに復旧できるかはお約束できません。本日15時までに、進展の有無にかかわらず状況をご連絡します。

調査のため、発生した時刻、利用ブラウザーとバージョン、画面にエラーが表示されているかをお知らせいただけますでしょうか。エラーがある場合は、個人情報や業務データを除いた文面をお送りください。

ご不便をおかけして申し訳ありません。

この返信で約束しているのは、15時までの状況連絡です。原因を特定した、復旧に着手した、17時に直る、といった事実は追加していません。

丁寧な文章でも、この3つが混ざっていれば直す

下書きに出てきた表現問題点今回の材料に沿った直し方
「システム負荷が原因です」原因は未確認。「原因を調査するため、技術担当へ共有しました」
「15時までに復旧します」連絡時刻を復旧時刻に変えている。「15時までに状況をご連絡します」
「別のブラウザーでお試しください」有効な回避策だと確認されていない。今回は操作を依頼せず、利用環境を確認する。

文章全体を作り直す必要はありません。「2段落目の15時は、復旧ではなく状況連絡の時刻です。その部分だけ直してください」と差分を伝えます。

15時になっても原因が分からなかったら

「進展がないから送れない」と考えると、最初に決めた約束を守れなくなります。更新時点で分かっている事実だけを差し替えます。

たとえば、調査が続いていることは確認できた一方、原因も復旧時刻も依然不明なら、次のような短い更新文になります。

お約束していた状況のご連絡です。調査は継続していますが、現時点では原因と復旧時刻を確定できていません。

次の連絡時刻を入れる場合は、その予定を社内で決めてから追記します。AIに「適切な連絡時刻」を勝手に決めさせないことが、このケースの要点です。

返信の材料を毎回整理するところで、Prompt Readyを使う

このプロンプトは、アプリを使わずそのまま試せます。顧客対応が繰り返し発生するなら、文章の表現だけでなく、確認済み事実・未確認事項・伝えてよい約束を揃える作業を習慣にする価値があります。

Prompt Readyの「文章を作る・返信する」画面では、左側の「元の文章・テーマ」と、その下のテンプレート・読み手・文章の雰囲気などをもとに、右側へ「AI向けの依頼文」が表示されます。右側に出るのは顧客へ送る完成返信ではなく、普段使う生成AIへ渡す依頼文です。

今回なら「元の文章・テーマ」に、顧客メールと、確認できた事実・伝えてよい約束を見出しで分けて入れます。「15時は状況連絡であり、復旧予定ではない」という条件も含め、右側の依頼文にその区別が残っているかを確認してから「依頼文をコピー」を使います。

Prompt ReadyからAIへ自動送信はされません。一方、自分で外部AIへ貼り付けた後のデータの扱いは、そのサービスと利用環境の条件に従います。

顧客対応に使う依頼文をPrompt Readyで整理する

対応できない依頼へ回答する場面は、取引先への断りメールで、約束する範囲の決め方を詳しく扱います。


参考情報